3月7日 11日目
おじさんの家を朝5時過ぎに出発。今日は一気に高知まで行く。徳島を出てからポツリポツリとしかなかったお寺も高知市内ではまとまっているので、今日はなんとなく進んだ気になれそう。
28番大日寺「うっしゃー」
29番国分寺「突き!」
よいペースで歩き続ける。
そしてようやく高知市内へ。
次のお寺の場所に迷うも、なんとかたどり着く。ようやく節目の30番。あと58ですか。
30番善楽寺「座ってみた」
ここのお寺で納経してもらった際に納経代を渡し忘れてしまい、「お代もらってませんよ」と呼び止められてしまった。す、すみません・・・。
ここから高知市街地へつきすすむ。
路面電車カコヨス!
午後2時半ごろ、遍路道沿いの小学校からたくさんの小学生が出てきてテンションアゲアゲ。ちょうど低学年の下校時刻のようで、ランドセルを背負ったエンジェルたちを見て和む。「いいなぁ、いいなぁ」と喜んでたら、なんと小学生(女子)に話しかけられた。
逆ナンktkr!
ちょっと立ち話をさせてもらいましたよ。志田未来ちゃんみたいな感じの子でかわいかった。煩悩。
31番竹林寺「パンチ!」
ここ、竹林寺は八十八箇所唯一、本尊に文殊菩薩を祀っている珍しいお寺。文殊さまの御真言をありがたく唱える。
今日は32番までぎりぎり行けそうなので頑張ろうと歩いてみたが、やっぱり間に合わなそうになる。しかし、もう目の前に来ているのにここで引き下がりたくはない。ということで、走りました。重い荷物を背負って。山道を駆け上がりましたよ。まさか、山の上にあるとは思わなかった。
途中、あまりに必死な形相をしていたためか、「送ってやるから、乗れ」と車のおじさんに話しかけられるも、「いえ、気合で頑張ります!ありがとうございます!」と返事w
頑張った甲斐あってなんとか間に合う。
32番禅師峰寺「マリオジャンプ!」
なかなか眺めの良いお寺でした。お寺の納経所に善根宿の情報があったので、今日はそこに泊まらせていただくことに。ここは電話で許可をいただかなければいけないので、これから行かれる方は禅師峰寺に行って確認してみてください。
善根宿、豊心亭さん。
すっごい綺麗な上に、ご飯までいただいてしまった。ここのおじさんは、もともと広島の方なのだが、社会に何か奉仕しようと四国にやってきたらしい。すごい方だ。曰く「ボランティアはやってあげてるという感情じゃだめ。やらせて頂くと思わなくちゃ」とのこと。アツイ人だった。
一緒に泊まったのは東京からきたイワサキさんと茨城からきたアオキさん。イワサキさんはなんと逆打ち(88番から1番に向かって歩いている)。つまりイワサキさんとボクは逆方向にすすでいるので、これから泊まれそうな場所をいろいろ教えていただいた。これはあり難い。
3日連続で布団。良い生活すぎる。いいのだろうか。
3月6日 10日目
民宿で朝ごはんをいただく。最高だ。あったかいご飯はあり難い。
一晩かけていろいろなものを乾かすことができたし、久々に洗濯ができたおかげで完全リフレッシュ。「宿に泊まる」ということに対して抵抗感があったのが馬鹿みたいだ。初めてのお遍路で無理してリタイヤするより、こうしてたまには心の洗濯をするのも悪くない。
何よりも、人間の普通の生活のありがたみがわかる。
一緒に泊まっていたおばさん方が残した大量の朝飯を昼飯として包んでいただいた。手をつけていない目玉焼きとかいろいろ。これは非常に嬉しい。なんだかんだゆっくり準備をしていたら8時になってしまった。急ぐこともないだろうと出発。山郷さん、お世話になりました。
山道に差し掛かると、急に右足首が痛み出す。ずきずきとした痛み。筋肉痛だとばっかり思っていたらどうやら関節痛らしい。あまりに痛かったので、ちょっとひきずるような形で歩いていたら、下ってきた人たちに心配された。すみません。
天気にも恵まれて、汗をにじませながら登山。
27番神峰寺「おっとっとっと」
山頂のお寺なので、眺めは最高でした。寺を掃除していたおばさんからおまんじゅうのお接待もいただいた。嬉しい。
昼からは山を下り一路、安芸へ。途中宿で一緒だったおばさん方を追い抜く。声をかけたら、フルーツトマトのお接待をしてくださった。おおお!いい日だ!
安芸を越えた後は海岸沿いをひたすら高知へ向けて歩く。サイクリングロードとして整備されている道を通ったので、車も来ないし、人もあんまり通らないので快適だった。なんだか気分がいい。
途中遍路小屋を発見。
ものすごく広い。中にあった新聞の切り抜き記事によると、ここはあの民主党の菅さんも利用したらしい。(菅さんは区切り打ちでお遍路をしている)
この遍路小屋には
口(くち)が濁れば愚痴(ぐち)となるというような金言が飾ってあって、なにか心に響くものがあった。いい日だと感じられる日だけに、多感な日でもあったと思う。
意志(いし)が濁れば意地(いじ)となる
徳(とく)が濁れば毒(どく)となる
途中ごめんなはり線とぶつかったので、写真を納めたり。やったね。
夕暮れどき、今日は道の駅で寝ようかなぁ歩いていたら道端でおじさんに話しかけられる。
「おう、どこから来たん?」
「ボク北海道です」
「学生か?」
「はいそうです」
「うち泊まっていくか?」
「えええええええええええ!!」
まさにこんな感じで会って10秒で泊めていただくことが確定。なんというミラクル。本当に今日はいい日だ。たぶん宿に泊まって気持ちだけでなく運気も回復したんだろうなぁw
泊めていただいたおじさんは一人暮らし。左官請負をしているらしい。驚いたのは、家に立派な仏壇があって毎日1時間以上お勤めをしているということ。先祖供養だそうだ。やたら信心深いおじさんで、「若いのに偉いな」としきりにボクを褒めてくださった。「わしも行きたいなぁ」とも言っていた。
不思議なおじさんだが、お風呂も布団もいただいて、感謝。ありがたい。
3月5日 9日目
野犬が寝ているボクの上に乗っかってくるので、あまりのウザさに半ギレ。ただ、犬を全力で虐待すると噛み付かれたりしそうなのでなんとか追っ払おうとするも、むしろじゃれてる・・・?
さらに朝4時ごろから雨が降り始めてきて、寝ているところも濡れ始めたので、さっさと荷物をまとめる。ただ、動こうにも次の寺は目の前なので7時まではどうにもできない。しかたなく、野犬をてきとうにかまいながら6時半頃まで時間をつぶす。
朝7時ちょっと前。まだ雨は小雨。23番の薬王寺からここまでやく70キロ。長かった。
24番最御崎寺「マッスル!」
7時ちょっと過ぎたくらいに納経してもらう。お寺のおじさんにどこから来たのか聞かれた。
最御崎寺はちょっとした高台にあるので、そこからうねった道を下って室戸の町に。「室戸高校甲子園出場おめでとう」のポスターが町のいたるところにあって、「世間はそんなシーズンだなぁ」と世離れした自分の境遇を想う。
雨は次第に強くなる。風も強い。(この日は全国的に大荒れの日で、富山あたりでは突風の被害があった。)それでもなんとか歩いていると、次の寺が。
25番津照寺「ここはバントだ!(?)」
しかし、雨がさらに強くなってきたので、ここで雨宿り。防水対策が甘かったため、荷物が結構やられてしまった。お寺の中で申し訳ないが、一旦リュックから荷物を出して、ふたたびつめ直す。この時点で、寝袋をリュックに直に入れていたことに気づいて呆然。防水を施していなかったために、大事な寝袋を濡らしてしまう。・・・激萎え。
まずいなぁ、と思いつつも先に進まないとどうしようもないので、雨が先刻よりも弱まってきた時点で出発。それでも結構強い雨で、だんだん心が沈んできた。雨の中、ちょっとした山道。サワガニがいる。
26番金剛頂寺「・・・・」
テンションはかなり低い。雨はやむ気配なく降り続いているので、ここでも雨宿り。さっきからずっと雨宿りしているようで、なんだかもどかしい。ぼけーっとベンチに座る。
ころあいを見計らって、再び雨中に身を投じる。ズボンや靴はもうぐちゃぐちゃ。荷物ももう半壊か。泣きたくなるような雨にもう心はポッキリ折れました。がっかりとかしょんぼりとかとは違う、なんていうか、落胆?
しかし、昼過ぎからあの暴風雨が嘘だったかのように晴れる。気持ちもちょっと回復した。でも、今日はなんだかうんざりという感じだったので、民宿をとることにした。今まで寝る場所にはお金をかけてこなかったので、それを貫きたい気持ちはあったものの、「あまり無理することはない」という悪魔(天使?)のささやきに負けた。
宿を電話で予約すると、気持ちが一気に回復。晴れてきた天気とともに快調に足が進む。奈半利町では寄り道までしてしまう始末。
土佐くろしお鉄道ごめんなはり線の室戸側終点・奈半利駅。実はこれがけっこう見たかった。JRではなく第三セクターで、もっとも新しい三セクなはず(2002年開通)。駅を写真に収めることができて満足。
宿は奈半利の隣町、田野町の「三郷」さん。着いてすぐ、人の良さそうなおじさんとおばさんに出迎えられなんか嬉しい。客はボクのほかにおばさん2人。この方たちもお遍路さんだ。
洗濯できるか尋ねたら、「出しておけば洗っておきますよ」とのこと。嬉しすぎる。ご飯は刺身やら煮物やら寿司やらで豪華だった。すっごいおいしい。お風呂にも入れたし、布団も暖かい。生きているってすばらしいと本当に思った。雨で濡れたものもそこらじゅうに広げて乾かし、濡れてしおれた心も復活ですわ。
これで明日も頑張れる、と思った。
■
うわーぜんぜん更新できてねー!!!
3月4日 8日目
寝袋だけでこんなにあったかく寝られたのはたぶん初めてじゃないか、っていうくらいよく眠れました。あまりぐずぐずしていると周りの民家の方に迷惑になるので、室戸岬めがけて朝日とともにレッツラゴー。
ここ、宍喰の隣はもう高知県。
高知ktkr!!!!!
高知県は「修行の道場」と呼ばれています。四国四県のなかで一番広いのに、一番お寺の数が少ないのが高知県。寺と寺の間も長い区間が多く、ひたすら歩かなくてはならないところからこういった名前がついたのでしょうかね。ちなみに徳島県は「発心の道場」と呼ばれています。愛媛は「菩提の道場」、香川は「涅槃の道場」。
さて、高知県に入りましたが、このあたりから風景が変わらなくなってきました。町から町への間の道は、ずっと海岸沿。左には海、右には山。延々これが続くので、さすがに飽きるよ・・・。しかも、今日は快晴、ものすごく気温が上がったため、袖をまくり上げて噴出す汗と格闘しながら歩きました。
余談ですが、近くの海は青々としていて、遠くの海は黒ずんでいます。「高知に行くと黒潮が見えるよ」って言われたのですが、ホントなのかな?でも確かに、黒い・・・。写真だとイマイチわからないけど、本当に黒いんですよ。
途中寄った夫婦岩。こういったちょっとしたスポットが心を癒してくれます。
徳島はかなりしっかり計画して歩いていたために寝るところはほとんど困りませんでしたが、高知からはほとんどノープランなので今日はどこまで行こうか迷いました。が、室戸まであとちょっとだし・・・ということで1日50キロ歩行を決行。夕暮れどきに無事、室戸岬に到着。
長かった。
室戸岬でたたずむ。
ぼけーっとしていたら、近くの民宿から2人のおじさんが出てきたので談笑。おじさん方もお遍路さんらしい。暇を見つけて1週間くらいずつ歩きに来ているそうです。今回は2回目で、もう明日帰ってしまうみたい。
そのおじさんたちから「明日は雨らしいよ」という忠告をいただく。激凹む。
寝床は近くにあった展望台の階段の下で。階段っていってもスカスカのやつだから、雨が降ってきたらひとたまりもないと思われます。まぁ、なんとかなればいいや、ということで就寝。
夜、雨よりも先に野犬に襲われて目を覚ます・・・
■
毎日があわただしく過ぎていきます。
3月3日 7日目
ありがたい廃バスの宿ですが、トイレはいずこ?しょうがないので近くの工事現場の仮設トイレを借りた朝。
3人で23番のお寺へ。宿からはおよそ2キロ弱なのですぐに到着。
ここのお寺は名前の通り、薬師如来が祀られております。八十八箇所の本尊は薬師如来が圧倒的に多いです。
さて!ここ23番から次の24番へは、なんと70キロ以上もあります。今までの寺と寺の間隔から考えるとものすごい差!徳島県から一路高知県室戸市への長い長い道のりのスタートです。しかも、ひたすら海岸沿を歩くというのがかなりの苦痛という噂。行けども行けども変わらぬ景色に気が狂うとかw
ここまで連れ添ったサイトウさん・ナガオさん両人とお別れして、ここからは単身室戸攻めへ。
JR牟岐駅。そろそろJRも終わりに近づいていきます。(室戸には鉄道がない)
余談ですが、この牟岐駅前の商店街(R55沿)のひなびた玩具屋にBerryz工房のカレンダーがでかでかと飾ってあって目を疑いました。「ええええっ!」みたいな。
お遍路さん接待所。「牟岐お接待の会」の皆様。お茶やお菓子をいただきました。今までだれだれだった菅笠の紐をここでつけ換えていただきました。感謝。
ところが、今日はなんだか足に違和感。今まで快調でなんの不安もなかったのに、右足首と左膝が痛みはじめる。一時痛くて、左足をひきずるような感じにまでなってしまった。うぐぅ、こういうのは後に引くとまずいな。
夕暮れ時に道の駅宍喰温泉に到着。400円だったので、お風呂に入る。2日連続で風呂とか嬉しい!
夕飯に近所のうどん屋でうどんを食べて、今日は遍路小屋で野宿することに。日中からずっと暖かったので野宿するのももう寒くなさそう。
宍喰温泉そばの遍路小屋。お遍路しているおじさんと一緒に野宿。
室戸まであと約50キロ。