3月6日 10日目
民宿で朝ごはんをいただく。最高だ。あったかいご飯はあり難い。
一晩かけていろいろなものを乾かすことができたし、久々に洗濯ができたおかげで完全リフレッシュ。「宿に泊まる」ということに対して抵抗感があったのが馬鹿みたいだ。初めてのお遍路で無理してリタイヤするより、こうしてたまには心の洗濯をするのも悪くない。
何よりも、人間の普通の生活のありがたみがわかる。
一緒に泊まっていたおばさん方が残した大量の朝飯を昼飯として包んでいただいた。手をつけていない目玉焼きとかいろいろ。これは非常に嬉しい。なんだかんだゆっくり準備をしていたら8時になってしまった。急ぐこともないだろうと出発。山郷さん、お世話になりました。
山道に差し掛かると、急に右足首が痛み出す。ずきずきとした痛み。筋肉痛だとばっかり思っていたらどうやら関節痛らしい。あまりに痛かったので、ちょっとひきずるような形で歩いていたら、下ってきた人たちに心配された。すみません。
天気にも恵まれて、汗をにじませながら登山。
27番神峰寺「おっとっとっと」
山頂のお寺なので、眺めは最高でした。寺を掃除していたおばさんからおまんじゅうのお接待もいただいた。嬉しい。
昼からは山を下り一路、安芸へ。途中宿で一緒だったおばさん方を追い抜く。声をかけたら、フルーツトマトのお接待をしてくださった。おおお!いい日だ!
安芸を越えた後は海岸沿いをひたすら高知へ向けて歩く。サイクリングロードとして整備されている道を通ったので、車も来ないし、人もあんまり通らないので快適だった。なんだか気分がいい。
途中遍路小屋を発見。
ものすごく広い。中にあった新聞の切り抜き記事によると、ここはあの民主党の菅さんも利用したらしい。(菅さんは区切り打ちでお遍路をしている)
この遍路小屋には
口(くち)が濁れば愚痴(ぐち)となるというような金言が飾ってあって、なにか心に響くものがあった。いい日だと感じられる日だけに、多感な日でもあったと思う。
意志(いし)が濁れば意地(いじ)となる
徳(とく)が濁れば毒(どく)となる
途中ごめんなはり線とぶつかったので、写真を納めたり。やったね。
夕暮れどき、今日は道の駅で寝ようかなぁ歩いていたら道端でおじさんに話しかけられる。
「おう、どこから来たん?」
「ボク北海道です」
「学生か?」
「はいそうです」
「うち泊まっていくか?」
「えええええええええええ!!」
まさにこんな感じで会って10秒で泊めていただくことが確定。なんというミラクル。本当に今日はいい日だ。たぶん宿に泊まって気持ちだけでなく運気も回復したんだろうなぁw
泊めていただいたおじさんは一人暮らし。左官請負をしているらしい。驚いたのは、家に立派な仏壇があって毎日1時間以上お勤めをしているということ。先祖供養だそうだ。やたら信心深いおじさんで、「若いのに偉いな」としきりにボクを褒めてくださった。「わしも行きたいなぁ」とも言っていた。
不思議なおじさんだが、お風呂も布団もいただいて、感謝。ありがたい。