2月27日 3日目

朝5時半ごろ起床という気合の入れよう。今日はちょっと頑張って進むつもりだから。

しかしこの時期、まだこの時間では山の中はちょっと暗いので、ささっと準備して6時を過ぎた頃に出発。昨日に続く12番への遍路ころがしの山道。


きれいな山の小川。四国の川は澄んでいる。

山を登ったり下ったりしながらどんどんと進む。結構息があがっちゃって途中休むこともしばしば。うーん、つらい。さすが遍路ころがしというだけあって、本当にころがりそうだ。

そして、8時10分ついに到着。

12番焼山寺かめはめ波!」

登った山は下らなくてはならないので、標高800mの焼山寺をお参りした後は海抜0m付近までなだらかに下っていきます。次の13番までおよそ21キロ。遠!でも、思った以上に早いペースだったので、気分よく爽快に進む。

2時過ぎ。

13番大日寺「てへへ」

ここで、かなりの重装備をした2人の若いお遍路さんと遭遇。聞くところによるとテントや自炊道具を積んでいるそうな。今日も野宿する予定だというから、近くに善根宿があると教えてあげました。ボクも今日はそこに泊まろうと思っていたので。宿で合流を約束し、ボクはゆっくりお参り。

続いて14番のお寺に向かって歩いていると、なんと雨が。ううう。まぁ、もう市街地なので危険なことはないのですが、やっぱり萎える。ところがそんな気持ちでいると、地元の方に話しかけられ、アクエリアスのお接待を頂きました!よく喋る陽気なおじさんで、次のお寺まで案内してくださいました。感謝。


14番常楽寺「へんしん!(仮面ライダー)」

すると、先ほどあった2人組みのかたと再開。どうやら道に迷ってしまったらしく、ボクより遅い到着。今日の目的地も一緒なので行動を共にすることに。


15番国分寺「みんなで記念に」
どさくさに紛れてちかくにいたチャリダー遍路さんも一緒に入れて写真を撮りました。

そして

16番観音寺「???」

ここで今日はおしまい。17時ぎりぎりの到着でした。

今日の目的地は「栄タクシー」さんという善根宿です。善根宿とはお遍路さんを無料で泊めてくださる宿のことで、管理している方のご好意によって運営されています。商売でもなければ下心があるわけでもなく、本当に善意のみで泊めてくださるという、本当に素晴らしいところなのです!


泣ける。

昔はもっとたくさんの善根宿があったそうなのですが、お遍路さんが悪さをしたり、マナーの低下が著しかったりなどで今はもう数少なくなってしまったそうです。しかもお遍路さんは年がら年中たくさんいるわけで、こういった人たちを無償で接待し続けるのはものすごい苦労とエネルギーの要ることです。だからこういった宿がこれからも続いていけるように、ボクたちお遍路は感謝の気持ちと誠意を忘れてはならないと思います。

して、入り口でタクシー会社の方に断っていざ入室。


うわ!テレビも布団もあるよ!!!なにこれ!?神!?

正直、善根宿っていわれてもどんなものなのかイメージ無かったんです。そしたらこんなに快適な環境が用意されていたんでものすごく驚いてしまいました。何より布団が豊富にあって、ありがたい!!!

あ、宿の中にこんなかわいいお接待もあった。

しおり。地元の小学生から!ボクは女の子が作ったやつを頂きました!!!!

今日一緒に泊まるのは先ほどから一緒に行動している2人(サイトウさん、ナガオさん)と、先客で来ていたおじさんです。なんとこのおじさん、初日の夕暮れに会ったあのおじさんじゃないですか!あのときは暗くて顔が見えなくて、全然気づかなかった!そして、初めてこのおじさん(名前は最後まで聞けなかった)とゆっくり話しました。実はこのおじさん、お寺や仏さんの絵を描く人だそうで、作品を見せてもらいましたが素晴らしかったです。ボクの干支は子と知ると、子年の守り本尊「千手観音」の自筆絵葉書をくれました!ありがたい。

それだけではありません。このおじさんからいろいろなことを学ばせていただきました。
例えば「お寺でお参りしてお経読んでるのに、何の仏さんが祀られてるのかわかってない人が多い。建物ばっかり有難がってもしょうがない。」とか「急いで回るんじゃなくて寺をよく見てみるといい。スタンプラリーじゃないんだから、修行をもっと意識しなきゃ。」などなど。耳が痛かったです。なんだか遍路に対する意識が変わりました。


夕飯はスーパーで買い込み、みんなで仲良く。
お遍路に来て初めてのお風呂にも入れて快適。あったかい布団が本当にありがたく感じれます。ゆっくり寝れそうです。